〜Vol.1 松山英樹〜

記念すべき第1回目のPGA特集は、今日本人の中ではトップと誰もが認める松山英樹プロ、とくにクラブセッティングを特集したいと思います。
松山英樹プロの米PGAツアーの5勝目は2017年8月の「WGCブリヂストン招待」でした。それから2年、優勝争いからは少し遠のいていますが、2020年は復調の兆しが見えてきています。
先日行われたロケットモーゲージ・クラシックでは21位、今週行われているワークデイチャリティーオープンでは一時首位に躍り出るなど、確実に調子は上がってきていると言えるでしょう。
もちろん、その日の体調や天候コンディションで調子というのは変化しますが、クラブとの相性によってもスコアは大きく変わってきます。これは、プロでもアマチュアでも当てはまることです。
では、今季、松山プロの快進撃を支えているクラブセッティングはどのようになっているのでしょうか。それぞれのクラブの特徴を見ていきながら、なぜ松山プロがこのセッティングを採用しているのかを考えてみると、今後自分のクラブを買い換えるときに参考になるかもしれません。


・ドライバー: TaylorMade SIM Max
ロフト:9.0度、シャフト:ツアーAD XC8‐TX(45.75インチ)

テーラーメイドのSIMは、2020年の最新ドライバーの中でも最も人気のあるドライバーと言っても過言ではありません。タイガーウッズ、ローリ―マキロイといった世界のトッププロがこぞってSIMにドライバーをチェンジしていることから、その性能に間違いはないと言ってもいいでしょう。
SIMとは、シェイプ・イン・モーションの略で、今までのドライバーにはなかった空力性能にこだわった形状をしています。低重心、深重心を作り出すためにヘッド後方下部に設置されたイナーシャジェネレーターを斜めに設置することで空気抵抗を減らしています。この空気抵抗の軽減により、クラブを速く振れるようになるという技術です。実は、SIMシリーズにはSIMとSIMMAXがあり、松山英樹が使用しているドライバーは、優しく打てるSIMMAXの方です。SIMには弾道調整機能がついていますが、SIMMAXにはついていないことを考えると、SIMMAXの方が直線的で高弾道が打ちやすいと考えることができます。
松山プロはドライバーヘッド自体の形状は様々なモデルを使いますが、一貫しているのはアドレス時の見た目で捕まりやすそうかどうかかと思います。
視覚的に捕まりにくそうなドライバーはあまり手に取らず、テストはしても実際に試合で使う頻度も少ないようです。


・ 3番ウッド:TaylorMade SIM Max フェアウェイウッド
ロフト:15度、シャフト:TourAD XC 9-TX(42.5インチ)

フェアウェイウッドも2020年に新発売されたTaylorMadeのSIMを採用しています。投影面積が大きく地面から打ってもボールが上がりやすく、ミスへの許容性も高い人気のモデルです。松山プロはフェアウェイウッドにはヘッドの大きさと打球の上がりやすい優しさを求める傾向があり、操作性というよりも直進性重視のクラブを好んでいます。


・ ユーティリティ:TaylorMade SIM Maxレスキュー
ロフト3番(19度)、シャフト: TourAD DI-115HY-TX

今季はPINGのG410ハイブリッドから、テーラーメイドSIM MAXへと変更しています。ダスティン・ジョンソンやローリー・マキロイも使用するなど、完成度の高さを感じさせるハイブリッドです。特徴としては、低重心設計で球が上がりやすく、アイアンに置き換えて使いたいというゴルファーにとっては、狙った箇所にボールを運びやすくなっています。また、スピードポケットを搭載しており、フェースの下目で捉えてしまった場合でも、飛距離の低下がおきにくく、ミスになりにくい仕様となっています。これらのことからも、松山プロは比較的見た目の安心感を求めている傾向が強いですね19°のユーティリティでは基本的には240ヤードから260ヤードの距離を狙っていくものと思われます。


・アイアン: Srixon Zフォージドプロト
番手: 4番〜PW、シャフト:Dynamic Gold Tour Issue-S400

アイアンは、スリクソンを長年使用しているという印象があります。長らく愛用していたZ965マッスルバックアイアンからプロトタイプのZフォージドアイアンへシフトしています。ウッド系は比較的やさしく、直進性を重視しているイメージですが、アイアンはマッスルバックで操作性の高いモデルを採用しています。操作性の高いアイアンを選ぶ理由はやはり曲げなければならない場面に対応するためでしょう。シャフトはダイナミックゴールドでは最も重量の重たいS400を使用しています。


・ ウェッジ:Cleveland RTX4 フォージド
ロフト:52度、56度、60度、シャフト:Dynamic Gold Tour Issue-S400

ウェッジにも変更があり、プレシジョンフォージドからRTX4に変わっています。長年愛用していたプレシジョンフォージドよりもソール幅が広くスピン量も多いタイプです。他のツアープロからの評価も高く、状況を問わずスピン量が安定する点も特徴となっているウェッジです。シャフトは番手によってフレックスを変更していて、52°はアイアンと同様のS400、56°と60°にはX100が装着されています。さらに3本とも、グリップ下に鉛を貼って調整も施しているようです。


・パター:Scotty Cameron ニューポート2 プロトタイプ

ワイドスタンスでしっかりと構える特徴的なフォームが印象的な松山プロのパッティングスタイル。パターは、スコッティキャメロン ニューポート2 プロトタイプを使用しています。フェースには目の細かなミーリング加工が施されており、ややしっかり目の打感です。アマチュア時代からスコッティキャメロンを使用していることからこだわりを感じます。Scotty Cameronは1人のパター職人が作ったブランドで今では知らない人はいないくらいの有名ブランドになりました。特徴は、とにかく美しい。操作性や機能性に優れていることはもちろん間違いないですが、この美しさこそがスコッティキャメロンの特徴です。


・ パター(サブ):Scotty Cameron 2020 フローバックF5.5

2020年PGAツアー、ジェネシス・オープンの3日目から投入したScotty Cameron 2020 フローバック F5.5。パターヘッドのベースになるのは2020年に新発売されたスコッティー・キャメロンのスペシャルセレクトのフローバックというミッドマレットタイプ。このミッドマレットヘッドにクランクネック(英語ではプラマースネックと呼ばれます)が溶接されてあります。ソールのウエイトは10Gが2つです。 グリップは新モデルのグレー色のピストリーニプラスを使用しています。松山プロが使用したF5は現在のところ市販化されていませんが、同形状のモデル「フローバック5」は一般販売されています。松山プロはこのヘッドタイプのクランクネックタイプですが「ショートスラントネック版」はUSモデルのみですが、すでに発売されています。私も実際にジェネシス・オープンで松山プロがこのパターを使っている所を視ましたが、最終日15番で沈めた17メートルの長いスライスラインは圧巻でした。



いかがでしたでしょうか。
SRIXONとのクラブ契約を結んでいる松山英樹プロですが、ウッド系のクラブに関しては用具契約を結んでおらず、自由に使えるような内容になっているようです。そのため、ここ最近はドライバーを頻繁に変更しています。
あの松山プロでしても、ウッド類は比較的優しいクラブを選んでいますと、私たちは一体どのクラブを選べばいいのか益々わからなくなりますね。(笑)
今回、松山プロのクラブセットを一通りチェックして見ましたので、もし次にPGAツアーをテレビで観る機会がありましたら、ぜひどの場面でどのクラブを選択しているのかも注視して見て下さい。きっと、新しいゴルフの面白さが見つかるはずです。
今後も、松山プロの活躍を大いに期待して応援して行きましょう!  


以上、松山英樹プロ特集でした。